月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

どうする低~いレの音。新人公演「The Lost Glory -美しき幻影ー」

星

 

本公演では知り得ない下級生を見る楽しみが
バウ公演と新人公演。

 

でもなかなか観に行くことは出来ないので
スカステ放送は大変嬉しいことです。

昔はね。
特にお目当ての人がいたわけでもないのに
何回か新人公演を観に行ったものです。
普通にチケット買えたものね。
そして本公演とはまた違った思わぬ名舞台や
名演技を目撃することになったりすると本当に嬉しいものだった。

 

でも新人公演はあくまでも勉強の場という認識もあったので
難しいことにチャレンジして
たとえそれが失敗に終わったとしても
それが次へのステップになるとも思っていた。
劇団側にも生徒側にも客席側にも
そんな心の余裕があったような気がします。
それは決して甘えではなく
タカラジェンヌの育成には
とてつもなく長い時間がかかるものだと知っていたから。

今はちゃんとした新人公演だなぁ~。と思う。
たしかに一定のクオリティはある。
けれども、それでこの人達は
びっくりするほど伸びることがあるのかしら?
と思うこともある。

 

さて今回の星組新公
イシさん(轟悠)とチエちゃん(柚希礼音)のがっぷり四つの舞台で
本当に見応えのある芝居だっただけに
新公メンバーにとっては、大変高いハードルだったことでしょう。
おぉっ!と思えるような人や瞬間も多々あった。

 

ひろ香祐、飛河蘭はとても上手いのね~。
本公演でも使ってほしいわ~。
天華えま、華やか。目が行くわ。
瀬央ゆりあ、時々ものすごくいい歌声が出る。
この声が安定して出てくれば、きっとすごい武器になる。

 

さて
主役の二人(麻央侑希・礼真琴)は実力にだいぶ差があるのだけれど
それはそれで新人公演ならではのこと。
実力のあるものに引っ張りあげられて、大化けすることだって無い訳じゃない。
のだけれど。
1点、どうしても疑問なところが・・・ 

 

そう、
低いレ(D3)をどうするか問題。

オットーとディアナの美しいデュエット曲
「If love ever ends」(この愛が終わる時)
なにぶんイシさんの歌ということもあって
とっても低い部分がある。
それも3連続同音という難曲。 

例によって著作権対策の楽譜イラスト

この愛が終わる時

ここの低いレレレ(まるで)を
なんと1オクターブ上で歌っているのだ。

この少し前にある、ミの音は出ていたけど。
1音低くなると無理だったのかしら。
この後にも1曲低い音の歌があったけれど
確かに下がりきれずに音程はあいまいだった。
でも、なんとか歌っていた。

さすがに、ここの3連続のレは無理だったのかしら?
きちんと聞こえない低い声をだすより1オクターブ上の同じ音を続ける方が
一見、歌のクオリティは保てるわよね。確かに。

でも、それでいいの?
この曲のニュアンスは台無しになっちゃうよ?
出来ないようでも歌わせてあげてよ!

 

低いレというのは
そんなにあるわけじゃない。 

思いつくまま低い曲コレクション。

 

レ(D3)があるのは2曲しか思いつかなかった~

ひとつはファントムのキャリエールが歌う「お前は私のもの」の出だし部分。
レが繰り返し出てくる~。
海外ミュージカル、しかもお父さんの歌なればこその低音。容赦ないわ~。

もう一つは「あさきゆめみし」の「愛の燦歌」
最初のメロディがどんどん低くなっていって、レまで至る。
タモちゃん(愛華みれ)ってそんなに声の低いイメージはなかったけれど。
しかも、光源氏。なのにこの低音。面白いな。

 

1音上のミ(E3)なら結構あるかも。

ぱっと思いつくのは
エリザベート」の「愛と死の輪舞(ロンド)」の出だしはミで始まりミで終わる。
しかもこの曲、最高音がド(C5)なんだよね~。
通常、宝塚の男役の地声最高音はシ♭かラなのに。

鍵盤だとこんな感じの音域。
女性がこれを全部地声(もしかして地声に聞こえる裏声発声?)で歌えるなんて!すごい!

ロンド音階

ちなみに私がまっとうに歌える地声の範囲がこれ

地声せま~~~い

多分普通の人よりずいぶん狭いと思う。
「愛と死の輪舞(ロンド)」を男役っぽく、かっこよく歌えるワケがない。

 

あとは、「PUCK」の主題歌「Lovers Green」も低いところあったな~。
これは多分もう半音低いミ♭(E♭3)かも
かなめちゃん(涼風真世)は低い声も艷やかだったからね~。

それから「BLUE・MOON・BLUE-月明かりの赤い花-」の「BLUE ILLUSION」もミ♭だったかも。
マミちゃん(真琴つばさ)は声低いけど、
りかちゃん(紫吹淳)はもともとはメゾソプラノ
そこからの無理やり力づくで作った男役重低音だから
声帯ポリープに悩まされたりしたわよね。

 

だから無理せず、喉の力を抜いて低い声を出すというのは
男役10年でやっと身につけられる事なのかもしれない。
レだなんて、もしかしたらこの先一生歌わない低い音なのかもしれない。

でも、そんな曲に新人公演で巡り会えたのなら、
それを幸運と思って歌わなきゃ。

勉強して、練習して
結果、本番思うように上手く歌えなかったとしても
それはそれでいいじゃない。

結局レを歌うことは出来なかったとしても
いつの日か余裕でミを
もしかしたらミ♭を歌えるようになる・・・
かもしれない。
この努力はいつかきっと身になる。

 

それとももう今は、
出来ないことにチャレンジすることなど許されないのかしら?

でも、それって新公の意味があるのかしら?