月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

「1914年/愛」1 意外にも宝塚らしい作品

星

 

1914年というのは
宝塚歌劇が生まれた年でもあるのね。

面白かった~。

幕開き
ずらりと並んだ黒燕尾男役。
同じ振付なのだけれど
ポーズの取り方、動きのニュアンスは人それぞれ特徴が出ます。
一人、私好みの動き方をする男役さんがいて
誰だろ~と
アップになるのを待っていたら
ケロさん(汐美真帆)でした。
やっぱり好きなのだわ~。この手のお方。
燕尾はあまり動き過ぎずに、大人っぽいほうが好きなのです。

 

続いて
娘役さんのシャーベットカラーの
素敵なドレスのレビューシーン
とっても綺麗。
ノスタルジックで上品な電飾も美しいわ~。 

それから、男役が女装して歌うちょっぴりコケティッシュなシーン。
「メモワールドパリ」の
ルコさん(朝香じゅん)、ピノさん(瀬川佳英)、かずき(幸和希)が歌った
「ノンノンイザベル」を思い出します。

ここはタニ(大和悠河)、かしげ(貴城けい)、
シイちゃん(立樹遥)、ゆう(真飛聖)が
「フルフル」を美しいソプラノというかエアソプラノ(笑)?で歌います。
楽しい~。

宝塚のシャンソンって
軽くておしゃれで
好きなんだけどな~。
最近、こういうシャンソンを使ったレビューってあまりないよね。
ノリノリのショーも良いけれど、
たまにはこんなうっとり出来るレビューも観たいな。

 

お話は
モンマルトルの酒場のオーナーにして魂の歌手
実は貴族の子息アリスティド・ブリュアンのわたる(湖月わたる)と
芸術家を支援する謎の伯爵夫人
実はオペラ歌手志望の貧しい娘アデルのダンちゃん(檀れい)との
お互いに素性を隠しているがゆえの、
ちょっぴりドタバタな
けれども誠実な恋模様

 

その二人の恋と平行して
パリに集まる芸術家達も描かれ、
こちらは青春群像劇となっています。
夢破れたり、投獄されたり、孤独に苦しんだり、酒に溺れたり・・・
そして、やがて迫り来る戦争の足音。

といっても
90周年ということで
他組より、
キラキラ王子・タニと
アンニュイ王子・かしげが特別出演。
男役の華やかな群舞などで表現されていて
暗くなりすぎることはなく、
その後に訪れるであろう不幸を
ほのかに匂わすだけにとどめています。

 

わたるの
黒の帽子、赤いマフラー、黒トンビの衣装
ロートレックのポスターと同じ衣装。
カッコいい~
大きくて、抱擁力があって、
豪快で、でも、可愛げがあって。
本当に良いトップになっていたのね。
嬉しいわ。

 

だんちゃんの
伯爵婦人の美しさは筆舌に尽くし難い。
そこから打って変わってのすっとこどっこいも
とってもチャーミング。 

わたる・だんちゃんの組合せは
ふっと肩の力が抜けた感じがあって
とても良いです。

二人がお互いの本当の素性をバラされて
もう、わちゃわちゃになった瞬間、
輪をかけて、わちゃわちゃな
怒涛のカンカンシーンになるのが大好き。
元気になれます。

ここは若さはちきれんばかりの
ちえちゃん(柚希礼音)のダンスが見どころ。
宝塚観劇を再開した時に
5組のトップのなかでただ一人、
名前も顔もまったく知らない人だったちえちゃん。
堂々たるトップ姿しか観ていないので
こんなにも希望にきらめいている若手時代の映像は
新鮮でした。

 

さて、二人はめでたく結ばれて大団円にて幕はおりるのですが、
もちろん、この後には第一次世界大戦が勃発。
モンマルトルの芸術家たちも、生きているあいだに
名声を得ることが出来た人はほんの一握りであることは、
我々観客もわかっているわけです。
だとしても
青春の全てを捧げて生きているのだと。

そうして、
明るく力強いわたると
美しくも力強いだんちゃんを見ていると
きっと
この人達はこの先
いろんなことを乗り越えていくのだろうな~と思えてくる。

それは、
この年に生まれた宝塚歌劇団の姿にも
重なるのかもしれません。