月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

バウならでは「SANCTUARY」3

宙

 

素晴らしい演技をじっくり見ることができる
バウホール公演。

 

とくにこの「SANCTUARY」では
人物描写がそれぞれに面白く
とにかく
惹きつけられました。
見応えたっぷりだったわ~。

 

もし、宝塚にアカデミー賞があるならば
この年の最優秀助演女優賞
せーこ(純矢ちとせ)です!

一瞬でも気を抜けば
それは死を意味するような
すざましい権力闘争に身を置きながら
それでも母であったのだと・・・
深く思い知らされる演技。
本当に素晴らしかったわ~。

この人の演技で
「王家に捧ぐ歌」のアムネリス様を観たかったです。
きっと美しく、傲慢でありながら
賢さも持ちあわせた
エジプトの女王として納得のオーラを放ったことであろうに。

 

調香師ルグジェリを演じた、きゃのん(花音舞)
ずっと腰を曲げているのも大変だと思うけれど
ただ、腰をかがめているだけではない
老人特有の足の運び方も完璧。

しかし、それよりも私が驚いたのは
彼女の目の演技。

盲目という訳ではないのだけれど
どうも、焦点を結ぶ部分はよく見えていないらしく
常に視野の端っこを使って見ている。
老人性白内障
いやぁ、すごいわ~。

 

とにかくこの二人があまりにも上手いので
対抗するアンリの母のあいこ(花里まな)は
ちょっと割りを食ってしまったかも。
熱演していたけど、それがちょっと空回りだったかな。
若い人が老け役って、やっぱり普通は難しいよね。
もう少し説得力のある演技ができていたら
その後のアンリの煩悶が
はっきり浮かび上がってくるのだが。惜しい。

  

熱演が空回りにならなかったのが
シャルル9世のあきも(秋音光)。
情緒不安定で
常に恐怖にかられているのだけれど
それがけっして一本調子にはならず
色々な恐怖の表現で演じている。
本当に熱演。
こんな下級生がいたとは!

  

弟のかなこ(春瀬央季)は面白い個性ね。
シュッとしたイケメンなんだけれど
なんともシニカル。
この個性が今後どんな風に生かされていくか
ちょっと注目したい。

  

ギーズ公のりんきら(凛城きら)
お芝居の上手い生徒さんなんだけど
今回はすこし
全力で悪役を演じすぎたかしら。

なんというか
分をわきまえすぎだよ。 

たとえ演出家になんと言われようと
せっかく主人公と対抗する
しかも恋敵?(一方的にだけど)という
美味しい役なのだから
もっと色気のある役作りでもよかったと思うのだが。
大劇場の「Shakespeare」でも老け役だったしなぁ。

どうか
りんきらに二枚目を演じさせてあげて~~。

  

マルゴのゆうり(伶美うらら)
そのオドロオドロしいくらいの美貌で
中世ムードを盛り上げた。 

だだ歌、
特に裏声が不安定なのが、
娘役としてはつらい。
少々の音程はずしは、まぁ我慢するとしても
とにかく声が出ないことには。ねぇ・・・。

なかなか深みのある地声は出るのだけれど
裏声に切り替わると
途端に弱々しく
囁くようになってしまう。
確か、れーれ(すみれ乃麗)も
そういう傾向があったよね。

私は裏声派なので
どうしてそんな風になってしまうのかが
よくわからないのだけれど
なんとかこれを克服しなければ
クラシカルなソプラノ歌唱が基本の大劇場ヒロインは厳しいかもです。
まぁ、ほぼ裏声オンリーの裏声派は
ポップスとかジャズとかカッコいい歌が歌えなくて悲しいのだけれどね~

 

さて、
あいちゃん(愛月ひかる)については
また、次回に。