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月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

一人で歌うということ…「Bow Singing Workshop」-宙-

宙

 

各組若手勉強の場、
バウワークショップ第一弾の放送は宙組


1曲目「RENT」の「Seasons of Love」から
とにかくコーラスの上手さ、声の奥行きの深さにびっくりした。


私が宝塚を観ていない間に結成された宙組なので
組の個性というものが、今ひとつピンとこないのだけれど
どうも
コーラスの宙組
と呼ばれているらしい。
その命名も納得の素晴らしさ。


各組のキャッチフレーズと言えば
20数年くらい前だと
類まれなるダンサーなつめさん(大浦みずき)、

続いてヤンさん(安寿ミラ)が率いたダンスの花組
コメディセンス抜群の真央さん(大地真央)、ゆりちゃん(天海祐希)や
人間味あふれる芝居のうたこさん(剣幸)、ノンちゃん(久世星佳)がいた芝居の月組
宝塚で大石内蔵助が主役の忠臣蔵が出来るなんてと驚いた芝居も日本舞踊も得意なカリンチョ(杜けあき)率いる日本物の雪組
ねっしい(日向薫)、シメさん(紫苑ゆう)、まりこちゃん(麻路さき)という大型でド派手なスターが続いたコスチューム物の星組
こんな風に言われてたかな~。
(もちろん宙組はこの時まだ存在しない)


なんでまた
スターの個性とは一見関係ないように思われる
コーラスという
縁の下の力持ち的特徴が
宙組に生まれたのだろう?
ちょっと不思議な気がする。
なぜそうなったのかを知りたいわ。


しかしこんなにもコーラスが素晴らしい下級生でも
舞台で一人で一曲まるまる歌わせてもらえる機会などまずない。
というわけで
このバウワークショップって
歌の勉強の場であると同時に表現の実地訓練でもあり
公開オーディションの意味合いも
あるわよねぇ~。
いやぁ、そう考えたらなかなか怖いわ。こりゃ。


カラオケ採点システムなんかだと
音程や音の長さ(「リズム感」とは少しニュアンスが違うと思う)の
正確さを数値化して
歌の上手い下手を判断しますが
そんなもので測れないのが舞台での歌唱。


私のヅカ友は音程に厳しい人が多いのだけど
私は絶対音感は持っていないし、
けっして歌ウマさんとはいえないちょっと不安定な音程の歌でも
実は結構平気なんだよね。へへ。
それより重視するのは
芝居心(口跡含む)>声の響き>リズム>音程 
かなぁ~
もっとも
芝居心や声に響きがあるような人は
大抵、音程もリズムも優秀だけれどね。


声の響きの良さで言えばあーちゃん(留依蒔世)がダントツ。
もちろん歌も激ウマ。

娘役ならせとぅ(瀬戸花まり)の声が好み。
声帯がピッタリ閉じられた
息漏れのないクリアな声が好きなのだ。
息漏れをほどよく含んだ柔らかいファルセットのほうがコーラス向きだけど、
エトワールとかソロナンバーだったら、
こういう他の声と混じり合わない、強い声のほうが好きだわ。


しかし芝居心という点では
断然、そら(和希そら)だったなぁ。
思わず歌の世界に惹きこまれた。
もちろん声の響きも素敵でした。


冒頭、素晴らしいコーラスを聞かせた宙組メンバーだけあって
ほとんど全ての人が音程が丁寧で正確な歌ウマさんだった。
しかし昭和の濃いめの舞台を観てきたオバサンから見ると
宙組って、随分とあっさりしているような気がする。
今流行の塩顔風味が組の個性?
ときおり結構熱い個性の人達も(そらくんとかあーちゃんとか)
いるのだけれどね~。

全体的にいえば泥臭さが薄いから、スタイリッシュで
そこが素敵なところでもあるのだけれど…

う~ん、なにか物足りない。

 

コーラスの感動に比べ、
一人ひとりの歌唱では、意外にも
これは!!と胸にグッとくる人が少なかったのは
この淡白な組の個性に加え
コンサート方式の難しさもあったのかな?
芝居も役としての衣装もセリフもなく、
いきなり歌唱のみだからね~。
歌に気持ちを持っていくのは
難しいよな~。
実際にナマの舞台を観ることができれば
きっともっと感じ取れただろうけれど
やっぱりテレビ視聴じゃ
ホントのところはわからないよね。悲しい~。

 

たった一人で歌うということは
ひろい舞台空間や観客や
テレビ画面の向こう側にいる人の心を
たった一人で満たさなきゃならないということなのね。


声で満たすか

想いで満たすか

リズムで満たすか

 

それは人それぞれではあるけれど
ただ歌がうまいだけで出来ることではない。
実際に舞台で歌ってみなければわからないことだと思う。

「Bow Singing Workshop」いい企画だわ~。
他組の放送も楽しみ。