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月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

その3分の1に全てを込めて「星逢一夜」新人公演

雪

これ、新人公演ですよね。とても新人公演とは思えないくらいの素晴らしさ。


もちろん本公演も素晴らしかったですよ。
新人公演を見て改めて気が付かされたのが、
ちぎ(早霧せいな)って、あんなに大人っぽい美貌の人なのに
少年の魅力を持ち合わせているんなんだなぁ。
ということ。

髪型を見ればわかるのですが
この芝居の3分の2は前髪姿、つまり成人前だったのですね。
ちぎは本当に前髪姿が似合う。
しかし星逢祭りの頃、一旦故郷に戻った時に
キラキラした少年時代から目を背けなければならない現実を知る。
もう、大人なのだ。大人には大人の生活とそれぞれの役割がある。
その切なさよ。
一揆の後でさえ、どこかしら、少年時代の瞳のままで、
泉と再び向き合うさまが印象的だった。
もう、どうやってもあの頃には戻れないのにね…。せつない…。
 
ポスターも幻想的な感じだったし
衣装や髪型も、ザ・日本物ではないこともあって
この話は江戸時代ではあっても
何時とも、どこともしれぬ、ある意味ファンタジーという認識だったのですよ。
徳川吉宗というリアル名が出てきて心底ビックリしましたが…)
まぁそれでも
時代が特定されてしまっても、
たとえ悲しいお話であっても
あのキラキラとした少年時代の印象が鮮烈にあるため
全体的には、どことなく
甘やかでノスタルジックなお話だったように思えました。
 
一方で、れいこ(月城かなと)は、大人の魅力なのね。
子供時代が終わって、家の跡継ぎになった時、
え?ここまだ前髪姿だったんだっけ?
と、ちょっとびっくりしました。
まぁ正直、チギには感じなかった違和感を
ちょっぴり感じてしまったところは…ある。
普通だったら、新人公演主演者のほうが子供っぽいはずなんだけどね~。
芝居はとても誠実で上手いのだけれど
チギのように少年時代のキラキラを印象づけられない点は
この芝居において、かなり不利ではあったと思う。

が、なんといっても、前髪をおとしてからの芝居が
本当に素晴らしかった!!
源太との対決。
櫓の上での泉とのやりとりと永遠の別れ。
なんというか、すごくリアルでずしりと来る。
感情の抑制がとっ~~ても
大人で、色気があって
だからこそ余計に、胸がくるしい。
せつないというか…辛すぎる~~。
 
ノスタルジックではなかったけれど
とにかく、この胸に迫る3分の1が全てを凌駕している。
この人主演で「若き日の唄は忘れじ」の、
あのラストシーンを観たい!
と思った人。絶対多いよね~。
(あ、でも、あれも前髪姿あったっけ…)
 こんなふうに抑えた、
でも心にぐっとせまる日本物ならではの感情がこの人の芯になると思ってきただけに
月組へ組替えというのは、ちょっとビックリした。
 
でも今、こういう大人の魅力のスターが
昔に比べて少ないように感じてたところなので
れいこの今後の活躍が本当に楽しみです。
 月組、これから大人の芝居が出来るね~。
 
 
 彼女の芯となった作品はこれなんじゃないかと思う記事はこちら。