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月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

東京千秋楽の思い出「名探偵は一人ぼっち」2

花

色々 書いていたら、この舞台の東京千秋楽を観ていたことを思い出した!
そうでなくてもコメディ、しかも千秋楽ときたら、そりゃあもう大騒ぎ、大笑いしたことを覚えている。

クールなマフィアにも千秋楽はやってくる

ペイさん(高汐巴)は真面目な顔をしたまま、ぼけまくるし、マフィアの親分きっしゃん(岸香織)、敵対するマフィアの女親分むっちゃん(翼悠貴)はゴリゴリのお笑いマスターだし。その上、出て来る人すべてがすっとこどっこい!のこの作品。
だがただ一人、けっして笑わずクールに決めている人がいた。

それは、訳あり過去を持つマフィア役のなつめさん(大浦みずき)。
周りが何をしようと、つねに陰りがあるクールでカッコいいマフィアを貫いてきた。

もちろん千秋楽でもクールだった。笑いとは無縁、いつもどおり手下に電話をかけ
「おう!俺だ!トムだ!マッカークを呼べ!」とクールにすごむ。カッコいい!
…が、リアクションがどうもいつもと様子が違うぞ。と思ったら、どうやら間違い電話を書けてしまったようです。
うろたえた声で「え?マッカークじゃない?」今までのコワモテぶりから想像もできないほど可愛らしい小さな声で「す、すみましぇん」と平謝り。クールなギャングのはずがとってもかわいらしい素のなつめさんに。

横でそれを見ているペイさんも「やーいやーい間違えた~~~」とばかり、妙なステップを踏んで浮かれているので余計におかしくってしょうがない。
そんな中、芝居は続行、なつめさん、気を取り直して電話をかけ直すも、さっきの間違い電話がトラウマとなったのか、
「あの~マッカーク…さんで…いらっしゃいますでしょうか…」とマフィアにあるまじき低姿勢。
いつものクールなマフィアとのあまりのギャップに客席中があっけにとられ、そして大笑いにつつまれたのでした。

少年は舞台上で騙される

ネットの発達した現代とは違って、この頃はムラの千秋楽で何があったかなんてことは東京組のフツーのファンには知るすべもなかったのですが、一つだけ伝わっていたことがあったです。

騒動の元凶である、興味本位で精巧なニセ札を作ってしまった為にタイガーウーマン一味に捕らえられてしまった理系オタク少年のかずき(幸和希)の一家を助けるため、ペイさんとなつめさんがタイガーウーマンのアジトに潜り込むシーン。
無事に一家を見つけ出し、いつもなら舞台奥のドアから逃げる手はず。
ところがムラ千秋楽では、「逃げろ!こっちだ!」というなつめさんの合図で、かずき以外のメンバー全員、いつもと違う舞台袖に走り去り、呆然としたかずきを一人暗転のなか置き去りにしたらしい。
その事件後、かずきはすっかり人間不振に陥ってしまったというエピソードが、雑誌「歌劇」の生徒が担当する「絵と文」とか「楽屋日記」のコーナーに沢山書かれていた。
当時はムラと東京の公演の間には1ヶ月近く間があったので、東京千秋楽までに「歌劇」の発売があったのね。

そんなわけで、東京千秋楽の観客のほぼ全てはそのエピソードを知っていたし、当のかずき本人も「今度はだまされないぞ」という気持ちが満々なのが、ありありと見て取れるので、もうすでに、客席からクスクス笑いが…。
さて、いよいよ「逃げろ!」の合図でムラ千秋楽と同様、かずきを残して一斉に袖に向かって走り出す。それを予想していたかずきも今回は残されずについていくぞ!と猛ダッシュをかけて追いかけたその瞬間。
「やっぱこっちだ!!」というなつめさんの合図で一瞬にして180度方向転換!逆方向の袖へものすごい勢いで走りぬけるメンバー、ペイさん、なつめさん、まさえちゃん(秋篠美帆)、ぽいさん(北小路みほ)。
そして舞台中央には、またしても一人とり残されてしまったかずきが呆然とたたずむ姿が。
あんなに油断なく構えていたのにね~。
またしてもまんまと騙されたかずきくん。ほんと。可愛かったな~。

普段からアドリブだらけだった、ペイさんが千秋楽に何をしたのかは残念ながら覚えてないのですが、普段クールななつめさんの所業は結構衝撃的で忘れられません。
コメディの千秋楽を観る機会などなかなかないので、ホント楽しかったな~。