月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

ちょっと初演を思い出す「ミー・アンド・マイガール」

花

花組ミー・アンド・マイガール」千秋楽をCS鑑賞。
そうです、見ることが出来なかったAパターン配役。1公演1回、見たり見なかったりの状況の今、役替り公演とはっ。

それでもこの公演絶対どっちも観たい!!頑張って出かけるぞ~~と意気込んでみたものの、結局取れたのはBパターン1回のみ。いえ1枚もない時もあるのだから取れただけありがたいです。
しかし30年前とは比べ物にならないほど今はチケットが手に入りませんね。前売り日に劇場に並んだ昔が懐かしいよ。地下の食堂であれこれ迷いながら何枚もチケット買ったっけ。3階席千円以下の時代だからね。お小遣いでも買えた。
もっとも前売り日にも劇場に行くなんて今は無理。
全国どこからでもチケットが買えるのはありがたいのだけれど。その分、競争が激しくって。結局どっちにしたってチケットは取れないわけだが。


Bパターン配役ももちろん楽しかったよ。でも私の見たいミーマイはAパターンだったんだなって思った。どちらが良いとか悪いとかじゃなく、初演の雰囲気に近かったのがこちらでした。

まず、ジョン卿のキキちゃん(芹香斗亜)。
オーシャンズ11」や「アーネスト・イン・ラブ」など、どこか少年の面影を残す弟キャラが印象的だった可愛いキキちゃんがオジサマ役とは、どんな風だったんだろうと想像もできなかったのですが。良かった!ちょっとビックリ。
品のある鷹揚さと嫌味のない上から目線が、なんというかとっても上流階級でした。
そう言えば初演のサイコ(郷真由加)も一見少年っぽい男役だったんだよね。小柄で可愛かったけど結構キザっぽくってダンスが上手。好きだったな~。

それにしてもキキちゃんは不思議な人だと思う。これ見よがしに芝居が上手い人ではない。ちょっと間の悪い時もあったりする。(私好みの間よりもちょっと遅いだけで悪くはないのかもだけど。)
でもけっして持ち味とはいえない老け役でも、おぉっ!!と思う素敵なオジサマのセリフ回しが度々飛び出してくる。


マリア公爵夫人のべーちゃん(桜咲彩花)。
キキちゃん同様、柔らかな品の良さ。大真面目が故の可笑しさと愛らしさ。理想の公爵夫人だわ。声もとっても素敵。
初演のひとみちゃん(春風ひとみ)も本当に芝居も声も素晴らしい人でした。


パーチェスターのPちゃん(鳳真由)
Pちゃん、ありがとー!!まやさん(未沙のえる)を彷彿とさせる、いや凌ぐほどの絶妙なパーチェスター。
私が観た時はちょっとコメディに苦労しているなと思えたみりおちゃん(明日海りお)でしたが、千秋楽だからか、それともPちゃん、キキちゃんとの呼吸があわせやすいからなのか、空回り感がなかった。
図書館でのシーン。いい大人が3人揃いも揃ってホント男ってしょーもない!って微笑ましくなっちゃう楽しさ。


ジェラルド役のまいてぃ(水美舞斗)
せっかく良いものを持っていながらこれまでどことなく「これでいいのかな~」「僕でいいのかな~」なんて迷いが見え隠れするような感じがあったのですが、このジェラルドすっごい良かった!
このところCS放送で見た「アイラブアインシュタイン」「For The People」のまいてぃも素晴らしかったので、もしかしてこのジェラルドが大成長ポイントだったのかな。
ジェラルドは無邪気なお馬鹿さんが嫌な感じにならないことが大前提ですが、もちろんここは見事にクリア。さらに2幕最初のタップダンスもただかっこよく振付をこなすだけではなくジェラルドの頭の中同様フワフワと軽く浮かぶように踊るなど、ほんとに役を良く掴んでいるなぁと感心しました。最終的には、もうなんだか応援したくなっちゃうところまで持っていけたのがまいてぃならではの味ですね。
初演のカタちゃん(桐さと実)も誠実で温かみのある男役さんでした。


ジャッキーのゆずカレー(柚香光)。
まるで洋画から抜け出したような美貌。ちょっと日本人の感覚とはちがう西洋の女性のアクの強さがよく出てた。
ジャッキーはとにかく人の話を聞いちゃいない人。まるで会話が噛み合わないほうが正しいのだ。パーチェスター役としてはあまりに自分勝手と思われたゆずカレーでしたが、このジャッキーならば問題なし!
そう、初演のカナメちゃんも(涼風真世)も人間より妖精役が多かった?という会話のかみ合わない不思議ちゃんでしたっけ。

ただ、お屋敷の弁護士の歌の序盤、みんなほぼ動かないでPちゃんに視線を向けている時に、背後にいるゆずカレーがアドリブでPちゃんを真似ていきなりピコピコ動いてしまったのは本当にいただけない。この後すぐの間奏になれば動いてもいいのだから、もう少しだけ待ってくれ~。急に動くものに目を奪われるのが人間の本能。Pちゃん退団千秋楽の最大の見せ場からたとえ短い時間でも観客の視線を奪った罪は重いぞ。まぁ、こういうところが真ん中にならざるを得ない人っつーことなんだろうが…。悪目立ちでも目立ったもん勝ちというのはなんだかやるせないなぁ。


アンサンブルの下級生は出番も多く活躍できる演目なれど、主要キャストの役の少なさゆえダブルキャストとなってしまった今回のミーマイ。花組は人材豊富だものね。
あきら(瀬戸かずや)の芝居の成長をもたらしたり、ゆきちゃん(仙名彩世)の見事な芝居を見ることが出来たり、得ることも大きかったとは思うけれど、やっぱりこのAパターンで通して欲しかった。
あぁ~~これ観たかったよ~~~。