月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

宙に吸い込まれる声 実咲凜音ミュージック・サロン「Million Callat!!」

宙

みりおん(実咲凜音)のさよならディナーショーをCS鑑賞。

みりおんの真骨頂とも言えるクラシカルなソプラノ歌唱の
オペラ「ジャンニ・スキッキ」の「私のお父さま」や
アンコールの「清く正しく美しく」はもちろん、
「オン・マイ・オウン」や「ドリームガールズ」などミュージカルの中音域の曲も。
芝居の歌では「うたかたの恋」のマリーのようなピュアな令嬢から女ざかりの皇妃エリザベートまで、
短い時間の間にくるくると切り替えて、さすがでした。

共に舞台にたつのは、若手スターみなと(桜木みなと)とそら(和希そら)

みなとは少しスモーキーな柔らかい声。
まさに二枚目。優男の声~~。

そらはツヤツヤ低音ヴォイス。
二枚目から悪役までなんでも出来る響く声~~。

娘役トップスターが他のスターとガッツリ組むことは少ないので、いつもとは違う声の組合せが新鮮でした。

思えばみりおんの相手役はかなめ(凰稀かなめ)、まあくん(朝夏まなと)と声の色がどちらかと言えば高めの人でした。
二人共、曲の音程が高いってほどじゃなくても、声の色が高く聞こえるタイプ。

たぶん、音色が高いかなめ、まあくん、というトップに合わせるためにみりおんは他のトップ娘役よりも、より高い音域・より高い音色で歌うことが求められ、そして、それに応えてきたのじゃないかしら。
そして声の色の高いトップさんを、より男らしく素敵に見せてきたのではないかと。

今回のディナーショーでは歌わなかったけれど、みりおんの代表曲のひとつ「銀河英雄伝説」の「アイスブルーの瞳」
以前ヅカ友さん達と何の曲をカラオケで歌ってみたいか?って話になって(カラオケ屋さんではなくて、お茶を飲みながらのおしゃべりでしたけど)、私はこの曲を歌ってみた~~いと言ったら、あるヅカ友さんに「あの高い音、絶対無理でしょう。」って言われたの。
私もヅカ友さんも絶対音感を持っていないので、みりおん声の色の記憶だけで音の高さをイメージすると最後のワンフレーズなんかは上のシとか、もしかしてドとか?そのくらいの超高音で歌っているんじゃないかという話になり、それは歌うのは無理だわ~。って家に帰って音を取ってみたら。。。
久しぶりに楽譜イラスト

あれまソプラノの娘役さんなら普通によく歌うソでした。
エリザベートの「わたしだけに」のラストの高音がたしかラだったはず。
それより1音低いのにも関わらず、まるで宇宙空間に吸い込まれて行きそうなほど澄みきった超高音に聞こえたんだよね。
あれは「銀河英雄伝説」の世界観にピッタリでしたよね~。


針の穴を通すように細く高くコントロールされたみりおんの声。
もしも、みなとのような柔らかな声の相手役だったら
もしも、そらのような艶のある低音の相手役だったら
みりおんの歌の方向性も、もしかしたら少し違うものになってたのかもしれないなぁ。
なんてことも、ふと思いました。
もちろん、かなめさんと一緒の時のみりおんも、まあくんと一緒の時のみりおんも、宝塚娘役王道の清冽な声がとっても素敵でしたけど。違った道のりがあったのかもしれないって妄想するのも、ちょっと面白い。

そんな細さと高さを追求してきたみりおんが初演では男役が演じた「王家に捧ぐ歌」のアイーダという大地の力強さを秘めた役で歌うこととなり、きっとすごいプレッシャーだっただろうなぁ。
そこを見事に乗り越え、且つ娘役ならではの甘やかさで「王家に捧ぐ歌」という物語がよりロマンチックなものになっていました。
まあくんも割と甘やかな男役さんなので、恋愛色が濃くなって素敵でしたよね。うっとり~~。

それにしても人の声って不思議。
音譜の高さは同じなのに、人によって、あるいは同じ人だとしても年令の経過によって
高くも低くも聞こえる。
なんでなんだろう。

みりおんは、きっとその演技力と歌唱力を活かして今後もミュージカルにたくさん出演してくれるのじゃないかとおもいます。
本物の男性と共に歌うみりおんの声はこれからどうなるのかな?
きっと年齢的にも声に幅が生まれる頃だろうし、より多彩な表現が出来るようになるのでは?と期待しています。
女性として演技者としてますますパワーアップしたみりおんに逢えることを楽しみにしています。