月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

本日「不滅の棘」観劇

宙

再びヅカ友さんにお誘いいただき本日は日本青年館です!!
まさかこちらも観ることが出来るとはっ!感謝感激でございます。


これ大好き!!
ストーリーももちろん好きですが白で統一されたセットが!もう!もう!すごい好き!!
幕間にプログラムを買って真っ先に装置担当を確認。
わぁ~~~。やっぱり大田創さんだ!!!
ですよね。ですよね。大好きなの!

一番好きなのは弁護士事務所のセット。
整然と並ぶ白い引き出しやハシゴが斜めにそそり立っているのがツボ!!
この不安感がタマラン!
なんだかキリコの絵を連想しちゃう。


白いカレル橋を現すラインも斜め。
その中にそそり立つ太い四角い柱あるいは中世的な塔。そして十字架。
舞台の中に曲線的なところがほとんどない無機質な白い世界。
白い衣装。青白い照明。
そこに突如スポット的に現れる鮮やかな色。
赤い口紅。黄色い椅子。シャツに広がる血。そして暖炉の炎。
ゾクゾクします。

そんな装置の中で繰り広げられる不思議な物語。
花組版はCS放送で見ました。
初演のオサさん(春野寿美礼)は美しき怪物と化した感がありましたが、あいちゃん(愛月ひかる)は親に捨てられた子供のようにイタイケで切なかった。
なんか抱きしめてあげたい~~~。(いや迷惑でしょうが。)

とはいえ、この白い空間にふさわしい虚無感を表現するのにはあいちゃんは穏やかで、優しすぎるのかなぁ。
そこがあいちゃんの魅力ではあるのだけれど。
もちろんこの柔らかさ・切なさゆえに不条理感が抑えられ、話が合理的でわかりやすくなったとは思う…。
より万人に受け入れられやすい感情表現になっていたと思う。
でもシュルレアリスム好きの私にとってはそこがちょっと残念なの。
まぁ、これはあくまで好みの問題なので…。


プンスカするららちゃん(遥羽らら)が可愛かったぁ!
もし相手役がオサさんだったら、こういう役作りで充分素晴らしかったと思う。
でも相手役は母性本能くすぐりまくりのあいちゃんなので、できればもう少し包み込むような抱擁力が欲しかった。
あいちゃん、ららちゃん。お互いがそれぞれに必死な感じで。
そこが健気で可愛いのだけれど、相手に合わせた芝居の呼吸という面では二人共もうワンステップ上を目指してほしいかな。


せーこ(純矢ちとせ)がむっちゃ綺麗だった!!!
いつも綺麗だけど、さらにさらに美しくって釘付け。
そしてものすごく虚無的だった。
そうなのです!この感じを私は求めていたのよ!
この恐ろしいほどの虚無感こそがこの芝居の世界観だと思うの。

あーちゃん(留依蒔世)、れいな(華妃まいあ)も芝居が上手い。
こちらの一家のシーンは安心してみてられる。
役的にはもう少しエキセントリックでも良かった気もするのだけれど。せーこがかなり強烈な役作りなのでこちらは健気さを表現するのに重きを置いていたのかな?
なので初演のゆみこさん(彩吹真央)、あすか(遠野あすか)ほどのインパクトはなかった。
でも3人のバランスを考えるとこれがちょうどいいのかもしれない。


弁護士事務所の秘書の女性が短い出番ながら芝居の上手さを感じた。
はっちゃん(天瀬はつひ)ですね。
ちょっとしたソロも声がよくって上手い。
芝居終盤の酔っ払ってホテルの部屋になだれ込む集団の中にもいるのだけれど、酔っぱらい演技が実にいい。奇妙な話の展開に次第に酔いが冷めていく様もとても上手くて周りの下級生たちと比べると実力的にちょっと抜きん出た感じがする。
要チェック娘役さんだわ。


というわけで、今回の感想はこの芝居のセリフにあったように、褒めた後にちょっと文句をつけてみる。という凡人形式を取ってみましたぁ~。

シュルレアリスムの傑作といえばやっぱりこれ!