月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

理由なき反抗「天明ふぁんたじぃ」

月

マオさん(大地真央)、ウタコさん(剣幸)競演のバウ作品をCS鑑賞。
まだ、まおさんはトップになる前かな?でも「ディーン」よりもあと。「ディーン」はその当時テレビ放送で見た記憶がありますが、こちらの作品はもちろん初めて見ました。

もともと宝塚では和楽器ではなく西洋の楽器で演奏する音楽で日舞を踊ってきたのですが、さらに日本物の芝居にロック調の音楽を合わせるという斬新な手法で「心中・恋の大和路」が大成功を収めたのですよね。
その成功に味をしめたのか、この「天明ふぁんたじぃ」もロック調日本物。なのかな?
まぁ、音楽的なことはあまりわかりませんが、私がロックを感じたのがマオさん演じる旗本の子息、水船隼人。

なんにでも才能があって、特に絵を極めたいってわけじゃないけれどお家騒動を回避するために侍の身分を捨て絵師となる。
ウタコさん演じた若き絵師(のちの写楽という設定)との出会いにより、一躍人気浮世絵師に。

しかしちょうど世の中は天明の大飢饉などもあって政情不安が高まり、出版物の取り締まりや着物の柄まであれこれ制限された時代だ。
その絵や戯作がご政道を暗に批判するものと受け取られてしまう。
といっても特に政治的主張があったわけでもないらしく…。
なんとかその生命を助けようと周りの人たちは奔走するのですが、それをサラリと退けて全てを超越したように最後は死罪になることを受け入れる。

なんだか、よくわかんない人なのよ。そのニヒルな三白眼でいったい何考えているのやら。
常識やら慣習やら老化やらでカチコチになった私の頭ではさっぱり理解できない。
でもね、そこがいいの。かっこいいの。若さなの。ロックなの。理由なき反抗なの!!

一方写楽を演じるウタコさんの芝居は本当に人間的。
彼には絵師として生きる明確な理由がある。
ふつふつと体の中から湧き上がる本物の絵を描きたいというエネルギー。
成功して苦界に身をしずめた恋人を救い出したいという願い。
そういう感情がないまぜになって彼を駆り立てている。
人間的に苦しみ、人間的に悩む。

カリスマ的なマオさんと人間臭いウタコさん。
この組み合わせ、対照的でとても面白いと思いました。