月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

面白い!されど「ポーの一族」1

花

チケット入手できなかった「ポーの一族」千秋楽をCS鑑賞。
それほど熱狂的ファンではなかったけれど一応萩尾望都世代かな?
もちろん「ポーの一族」も全巻読んだ記憶はあります。
とても好きだった記憶もあります。

なのに悲しいかなストーリーに関しては一切の記憶が残ってない。
そりゃそうだよ読んだの40数年以上は昔だからね~。
なので、こんな話だったのかぁ。と新鮮な思いで見ました。


みりおさん(明日海りお)のエドガーは壮絶なほど美しかった。

アランのかれー(柚香光)のこじらせっぷりもなかなか良かった。
ほんと二人並ぶとこの世のものとは思えない超絶ビジュアル。

ゆきちゃん(仙名彩世)シーラの﨟たけた美しさもぴったり。
立ち居振る舞いの気品と洗練はもちろんだけど、「狩り」のときでさえ哀しいほど恐ろしくて美しい。

出演者のハマりっぷりは凄まじく実際に舞台を見ることができたらどんなに良かったか。涙。


もちろんとても面白かった。
単に漫画の世界を3D化しただけではない、演劇としての醍醐味がちゃんと感じられた。
さすがは小池先生ならではのみごとな手腕。
独りよがりにならない。100人が見れば、ほぼ100人が面白かったぁと思える芝居というのは本当に素晴らしいことだよ。


ただ舞台から受ける印象がね。こんなんだったっけ?って記憶の奥底でささやく。
萩尾望都の作品から放たれていたそこはかとない寂寥感というか文学的香気というか…そんなかすかな記憶。それが薄かったのかなぁ。


ミュージカルだもの。
大劇場の大作一本物だもの。
たくさんに人に役をつけて、見せ場をもたせて。
派手な場面や躍動感あふれる場面も加えて。
おまけに最後にフィナーレもつけたら、そりゃこうなるよね。

エドガーの心情を分身ダンサーズが踊っちゃうよね。
クレーンに乗って時空をさまよっちゃうよね。
後ろに「ポーの一族」ってピンクの電飾が輝いちゃうよね。
大階段にはコテコテの漫画のバラのイラストが描かれちゃうよね。
いいのよ。いいのよ。
それが楽しくって宝塚を観に行くんだもの。


小池修一郎先生悲願の「ポーの一族」です。
みりおちゃんがこの時この場所にいなければ、そして小池先生の実績がなければ、おそらく原作者からのお許しは出なかったことでしょう。

私は「ポーの一族」を耽美だとは思っていないので、こんなふうにエンターテイメントに徹したことは全然OKではあるのだけれど。
みりおちゃんの哀しみと苦しみをたたえた繊細な演技が胸を打つだけに、出来ればもう少しリリカルな演出や抑えた色合いの装置・衣装で見たかったなぁという気持ちは少しあります。
植田景子先生とか生田大和先生が演出したらどうなっただろう?って一瞬思っちゃった。


さて、次回作の世紀の色男「CASANOVA」は生田先生だし、みりおちゃんが耽美的で幻想的な世界に誘うという「青い薔薇の精」なる次々回作は景子先生。

いやぁ~景子先生ったら。
悔しかったんだろうね~。わかるよ~~~。(勝手な妄想入ります。)
私だったらポーを絶対こんなふうに作んないっのにっ!!!もぉ~~~!!見てらっしゃいっ!!!
てなもんで気合の入った、でも、もしかしたらそれが独りよがりの趣味に走った?力作を作ってくれる気がします。
いえいえ、それくらいの自意識の強さがなければ宝塚初の女性演出家になんかなれないもん。
頑張れ景子先生!
めっちゃ期待してるよー!

とにかくどんなみりおちゃんが見られるのか、これからの作品も楽しみだ。
「CASANOVA」は好運にもチケット確保できたものの、その次は(いかにもいかにもなラインナップだけに)とてもじゃないが観られる気はしないんだけどさ。はぁ。