月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

ペキエノランド「PR×PRince」

雪

ひとこ(永久輝せあ)単独初主演バウホール公演「PR×PRince」をCS鑑賞。
つい最近の作品よね。早くも放送。

作演出は町田菜花先生。“なのか”と読むそうです。いかにも最近はやりの凝ったお名前なので、おそらく若い演出家さん。
これがデビュー作品とのこと。
時代はどんどん移りゆく。頑張ってついて行かねば。宝塚ファンは年取ってはいられない。


架空の王国ペキエノを舞台にしたコメディ。。。かな?
かっこいい王子様が3人も出てきて、
可愛らしい娘さん3人と全員ハッピーエンド。
憎みきれない濃いめのヴィランズ3人組。
コミカルなやり取りの大臣3人組。
PR×PRinceだから
3×3×3×3で81点。
これなら100点には足りないけどまぁまぁ合格点?足し算してはいけません。

いいのよ。いいのよ。
他愛もない夢物語だってたまには見たいもん。
楽しければ、それでいいのよ。
楽しければね。


麗しいひとこが満を持しての単独初出演なのに半分以上の時間をのび太風丸メガネで顔を隠したオドオド研究オタク。しかもメガネを取るとドS王子に人格が変わる。
セリフの間で笑わすコメディなら難しくてもいい経験になったはずなんだけど。極端なキャラ変で笑わすのって今この時にやって欲しいことじゃないんだよなぁ。
まぁ、芝居となるとちょっと硬いひとこの殻を破る一定の効果はあったかもしれない。


はにかんだ笑顔がナイーブなあやな(綾凰華)がイケイケナルシスト。
少年の可愛さがキラキラしているあみちゃん(彩海せら)がマッチョ自慢。

イメージとまるで逆のキャラを演じてそれが面白いのは自分の個性を茶化せるくらい上級生になってからだと思うの。

大きな役が初めての若手にはやっぱりその生徒の魅力を生かした役を演じさせてほしいなぁ。


などと、81点(仮)と言っておきながら文句言っちゃってますが。
長年温めてきたであろうデビュー作だし、もともとこの3人を念頭に作られた脚本ではなかったのかも知れません。


とはいえ、やや痩せすぎが気になるひとこの詰め襟、肩章で肩周りがカッチリした軍服姿はまぁ~~~~~似合います!

同じくちょっと華奢なあやなちゃんも軍服姿がかっこいい!

意外だったのがあみちゃん。
可愛い顔立ちのあみちゃんは男っぽくなりたい!ときっととても努力しているのだと思うの。
今回はマッチョ設定の役柄のせいもあったからでしょうかガシガシ動いていて、しかも、もりもりの詰め襟、肩章の効果もあって姿や表情が男っぽいを通り越してなぜか少しオジサンぽく見えちゃう。

あみちゃん。まだまだ可愛くていいよ~。
あと5年位たったら十分男っぽくかっこよくなるよ~。


こういう素顔が可愛らしい男役さんは10年目以降にどうなっているかがとてもむずかしい。

男役10年と言われ、10年が過ぎ男役として完成期を迎える時に少年役はほぼないといっていいと思う。まぁ、みりおちゃん(明日海りお)という特殊例もあるけれど。みりおちゃんだって大人の役ができた上での少年役だ。

可愛かった男役さんはなぜだか10年を超えるとオジサン役を演じることが多くなる不思議。
さいこ(郷真由加)のジョン卿。
みわっち(愛音羽麗)のアラン・ショレ。
Pちゃん(鳳真由)のパーチェスター。

あみちゃんも器用なだけにちょっと心配。
お願い。早いうちから無理に男っぽくならないでね。


他のキャストでは
愛すみれ様がアホアホな歌詞を無駄にスンバラシイ歌声で熱唱するのが最高にゴージャス。
謎のメンズ、カリ(煌羽レオ)の声をいっさい聞くことができないのがとってもファビュラス。
シニカルな秘書のひーこ(笙乃茅桜)の塩対応も逆にセクシー。
このヴィランズ3人組の造形といい、ディズニーの世界観を表現したかったのかなぁ。
フィナーレはディズニーの曲でデュエットダンスでした。
ただし物語のスケール的にはディズニー映画ではなくディズニーランドでのショー形式のアトラクションという雰囲気だったかも。


その公演の観客は誰なのか。
宝塚の小劇場公演なら、おそらくほぼ100%コアな宝塚ファンでしょう。
だから
電話の着信音が大音量の「ル・ポアゾン」でも
「初日と中日と千秋楽は観たいの~」でも
「お茶会と遠征は我慢して~」でも
笑えます。楽しいです。

もちろんこうした内輪受けの笑いのとり方は2作目でも繰り返したら寒いだけだろうし、ましてや観客の裾野の広い大劇場公演では通用しません。
なのでどの様な作風でどんな事を表現したい演出家さんなのか、本当のところはまだつかめない気がします。
なんとなく中村暁先生のデビュー作「スイートリトルロックンロール」を思い出しちゃったけどね。
町田先生の次回作を待つことにいたしましょう。