月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

違う視点も面白い「壮麗帝」

宙

ヴェネチアの紋章」でたっちー(橘幸)演じたオスマン帝国の宰相イブラヒムってずんちゃん(桜木みなと)主演「壮麗帝」でのそらくん(和希そら)と同一人物だよね?ということで録画してたけどまだ見てなかった「壮麗帝」をCS鑑賞。
なんとヴェネチア元首の息子アルヴィーゼ・グリッティもがっつり出てくるじゃありませんか!そうよね実在の人物ですもの。
すずなちゃん(汐聖風美)が演じたスルタンがずんちゃんのスレイマン一世。
あんこさん(杏野このみ)が演じたロッサーナはららちゃん(遥羽らら)のヒュッレム。
あんこさんはスゴツヨでスルタンを完全にお尻に敷いていましたしたが(←好き)、ららちゃんは芯は強くても優しく愛らしい。同じ人物でも全く違う人格に描かれてて面白いわぁ。

冒頭のエキゾチックなダンスのららちゃんのしなやかな美しさ。ものすごく輝いていました。
衣装も素敵ですね。腰の周りを幾重にも彩るパール、膝に向かってシュッと細くなったシルエットが素晴らしい。
このオープニング大好きです。盛り上がるわ~。
そして物語が始まるとららちゃんの明るく真っ直ぐな個性が遺憾なく発揮されます。
ストレートにズケズケ物を言っても愛らしい。このららちゃんの無垢な明るさって大好きなのよ。
しかし彼女の愛情深い考え方とそれゆえの行動が必ずしも幸福をもたらすとは限らない。それぞれの想いや利害関係が複雑に絡み合って、周りのほぼすべての人が非業の死を遂げることになります。
でもヒュッレム自身は皇帝から大いに愛され、彼の胸の中で安らかに亡くなる。
波乱万丈でもわりと幸せな人生として描かれています。
やっぱららちゃんは愛され上手だ。

そしてこの芝居のもう一つのキモはずんそら萌えでしょう。
イブラヒムそらくんのスレイマンずんちゃんに対する愛とも言えるほどの強い想い。その熱い想いゆえに次第にすれ違っていくことに苦悩するそらくんがたまりません。
考えが決定的に食い違っていても危機に瀕した瞬間に命をかけて共に戦うずんそら!くぅ~~~~。かっこいい!。
危機を脱しながらも自らの処刑を迫るイブラヒムの信念。自分の命よりもスレイマンへの愛が重いのね。
泣いて馬謖。ならぬそらくんを斬るずんちゃん。辛い。皇帝は辛い。
イブラヒムとヒュッレム。二人いてこそのスレイマンだったのだと感じさせるその後の苦悩も見応えありました。大切な片輪を失った喪失感。
というわけで、このあとのスレイマンには碌なことないです。息子を殺し、最愛のヒュッレムも病死。
それでも進むべき道をいく皇帝の孤独。というところで幕。

ずんちゃんの歌はどれも見事でした。皇帝の大きさを感じさせる豊かな声。伸びやかに上がっていく高音。
演出自体はミュージカルではなく古式ゆかしき歌入り芝居ですが、ずんちゃんの歌をじっくり聞くことが出来るし、この題材にはむしろあっていたかもしれません。手島恭子先生の曲はどれも優しく美しい。
ずんちゃんもそらくんもしっかり芝居心を歌に乗せることが出来る人たちだからとても聴き応えがありました。
なにせ壮麗帝の一代記という構成で中盤はちょっとぼぉ~っと気が遠くなるところもありましたが、前半部分のずんららの夢々しさと力強さ。終盤のずんそら対決とその後の寂寥感は素晴らしかった。

それに少人数の公演だと大劇場ではほんの一言二言セリフがあるかないかという下級生ががっつり芝居をしてくれるのが楽しいです。
といっても、あぁ、この子。芝居はまだイマイチなんだなぁ。ということがわかっちゃったりもするけれど。でもこれを機会にきっと伸びていくことでしょう。頑張れ!
そして相変わらずましろくん(真白悠希)がめちゃめちゃ上手い。
先月LIVE配信でみた「夢千鳥」でも何役か演じていて、どの役もうまかったよね。こんどの大劇場公演ではこの演技力を活かせる場面はあるかしら。新人公演はもえこちゃん(瑠風輝)の役ですね。見には行けないけど楽しみだわ。