月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

西洋美術覚書「異人たちのルネサンス」2

宙

ルネサンス前夜あたりの美術が大好きな私にとって期待大の大満足な作品でした。

工房の仲間にいろいろな芸術家たちがいて楽しかった。

なんと言っても小悪魔サライがいたのにびっくり。
じゅりちゃん(天彩峰里)の男の子役は上手いね~。
この子をモデルにレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた絵がこれ。
ちょっと危なめの美青年です。恋人だったそうで。この絵とモナリザは生涯手放さなかったとか。


まっぷー(松風輝)が演じた親方ヴェロッキオの描いた絵がこちら。

といっても工房の共同制作で、左下の天使たちをレオナルド・ダ・ヴィンチが担当。
これを見た親方は自分の絵の才能に見切りをつけ彫刻のほうに専念したとか。才能を理解できる親方もすごいね。まっぷー厳しくも温かかった。


りく(蒼羽りく)が演じたのは言わずと知れたサンドロ・ボッティチェリ

この頃の画家たちは個人で制作するのではなく工房での共同制作をしていたということで、ちょうど今の時代の漫画家みたいなシステムなのかな。
ボッティチェリは結構やり手でアシスタントを上手に使ってバンバン作品を作っていたらしい。りく君もなんかイケイケだったね!

彼が描いたジュリアーノがこちら。
美男で有名だったそうですが、もちろんずんちゃん(桜木みなと)の方がずっとイケメン。

そうそう、ラストにモナリザがお出ましになった時も、まどか(星風まどか)の方が100倍可愛いよ!と思ったんだけどね。私の席からではほぼほぼ真っ黒な絵に見えましたよ。
そう考えるとシェイクスピアの書き物机を透明アクリルにした生田先生のセンスは良いな。まぁ誰もが知る名画と机では違うか。
せっかくの良い場面だったのにあんまり美しいとは思えないモナリザがどどーんで感動が盛り下がっちゃう。ここが唯一の残念ポイント。田渕先生、もう一工夫お願いしたかったよ。


工房仲間の続き
もえこ(瑠風輝)が演じたルカ・シニョレッリ。この人はなんとなく名前とこの絵だけ知ってました。

あっきー(澄輝さやと)が演じたペルジーノ。おー、システィーナ礼拝堂にも描いているんだね。

そら(和希そら)が演じたロレンツォ・ディ・クレディ。
ごめん。知らなかった。絵は優しいが熱くていいヤツ。

あーちゃん(留依蒔世)が演じたアンドレア・フェルッチは彫刻家なのね。
マッシュルームヘアと行動がいちいち可愛くって目立ってました。

そんなこんなで西洋美術好きにはすごく楽しかった。


あ、もう1点、観てて、およっ?と思ったところが…。

それはサンタ・クローチェ教会が暗殺の舞台となっていたこと。
いえ、史実と違う…だなんて野暮なことは言いません!

サンタ・クローチェ教会は質素と清貧をモットーとするフランチェスコ派の教会で、広い立派な教会だけど天井は太い木の梁がむき出しでとっても簡素な感じ。
礼拝堂にはルネサンス前夜の画家ジョットーのフレスコ画がある。

冒頭に出てくるすっしーさん(寿つかさ)のシクストゥス4世はフランチェスコ会出身なのね。システィーナ礼拝堂を作った人だけどこの頃の教皇は世俗化してて、皆ろくでもない。身内を大司教に任命して贅沢三昧。

あいちゃん(愛月ひかる)はフランチェスコ会派の司教だったのかぁ。この時代はかなり腐敗してたのだろう。
それでもやっぱり簡素ながらもとても荘厳な教会だった記憶があるので「サンタ・クローチェ教会で」って言われた時に思わず、え?そこ使う?ってびっくりしてしまったの。

その敷地内にパッツィ家の礼拝堂があるから、ここを暗殺の舞台としたんだろうけど、そんな敵地にほいほい呼び出されるかな?とも思ったし。


まぁ、どの教会でも厳粛だけれどね。
あえてどこがいいかといえば、史実どおりの大聖堂は逢引の待ち合わせとして呼び出すのは無理があるのでサンタ・マリア・ノヴェッラ教会なんていかがでしょう。

ここはメディチ家ゆかりのとってもエレガントな教会。
美しいアーチ型の回廊に囲まれた緑の中庭があったり、素敵なステンドグラスもあった。壁画もサンタ・クローチェ教会よりもずっと華やか。

そしてなにより好色文学として知られた「デカメロン」の冒頭にこの教会が登場することが決め手です。
スミレコードぶっちぎりのこの芝居(完全に褒めてます。アンモラル上等!)にはそれくらいの隠喩は仕込んでいていいと思うのよ~。


それともフラ・アンジェリコの壁画があるサン・マルコ修道院がいいかしら〜。
暗い階段の上にこんな清らかな絵が浮かび上がる。
うん。立体的で神秘的な舞台装置になりそう。


もう30年以上も前ですがイタリア旅行して、フィレンツェが一番好きでした。
観てたら色々思い出してきちゃった。

そうそう、サン・ロレンツォ教会にあるミケランジェロが彫刻を作成したジュリアーノのお墓がこちら。
美しい~。
ここに埋葬されたのはずっと後らしいですが。

反対側に同じような構図でロレンツォ様のお墓があるの。

ルネサンス期に素晴らしい作品がたくさん生まれたのはキキちゃん(芹香斗亜)演じるロレンツォ豪華王様のおかげでございます。
ありがたや~~~。