月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

想像の翼をくれた人「ときめきの花の伝説」

月

柴田侑宏作品が続々放送されています。懐かしいなぁ。
この「ときめきの花の伝説」はうたこさん(剣幸)のお披露目公演。絶対劇場で観ているはずなのですが。

ストーリーとか全然思い出せないわぁ。ほんとにわたし観たんだろうか~と思っていたら、若きレジスタンスメンバーのニナちゃん(仁科有理)、サイコ(郷真由加)、かなめちゃん(涼風真世)の3人組が出てきたところで思い出した。

この三人が登場したシーンの歌が大好きだったのだわ!
残念ながら今回の放送ではカットされていましたが。
「飾るな。飾るなー。」っていう曲。
短調だけど勇ましくて調子がいい。なんとなくだけど今でも歌えます。
小柄ながらキザで熱い男役だったサイコが大好きだったし、かなめちゃんのハモリの響きが心地よかった。


そして、ニナちゃん!
芝居の上手い女役さん。
この時まだ月組だったのね。このあと雪組に組替えになり別格的な二番手娘役となります。
アクの強い役や、悪女役が似合いそうなちょっと強めの美人さん。

そういう人がレジスタンスのメンバーという役を与えられたとしたら、キッと強い感じになったっておかしくないはずじゃない?
ところが彼女の役作りはそんな誰でも考えつくような浅い感じとは全然違うの。

控えめで優しくて、でも心の奥に強い意志があることを感じられる知的な女性。
こんな時代でなければ、周りの人に思いやりを持って、丁寧な人生を過ごすことが出来たであろうということが想像できる穏やかな微笑みがそこにありました。


たしか当時、歌劇の座談会でニナちゃんがこの役作りについて
「職業は教師です。日曜日には教会のバザーで手作りのお菓子(だったかな?曖昧)を出している。」
みたいなことを語っていたような記憶があるんだけれど。なにせ35年前のことなので脳みそが嘘ついてるかもしれない。

もちろん芝居の中にそんなシーンや台詞はひとつもありません。
でも一つの役を作り上げるために描かれていないその人の背景までも考えているんだ!
そしてそれを演技によってちゃんと体現することができるんだ!
ということを初めて知った覚えがあります。
これほど時が経った今でもその記事を覚えてるというのは私にとってかなり印象的なことだったんだと思う。


ニナちゃんの演技によって、このレジスタンスの女闘士の大切にしている信念が見え、そこから様々な感情や人生に思いを馳せることができる。

こういう想像って自分勝手に広げることも出来なくはないです。でもそこはやっぱり演者の表現によって導き出されるべきものだと思うの。


ニナちゃんは演者の思いを受け取ってそこから想像の翼を広げていく楽しさを私に教えてくれた忘れられない素敵な娘役さんです。