月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

本日「FLYING SAPA ーフライング・サパー」LIVE配信1

宙

色々なことが起こったけれど、これがこれからの世の中なのかもしれない。
だから誰かを責めたり落ち込んだりなんてしている暇はない。
我々は今出来ることを、出来る範囲の中だけだとしても、前を向いてやっていかなければ。
希望の灯を失ってはいけない。たとえ今は小さな光だとしても。

というわけで、少しでも観劇の感動を共有したくて、ネット配信によるLIVE中継に初チャレンジ。

この日のためにギガを増強し、テレビにつなげるケーブルも購入。四苦八苦しながらテレビの設定を変更して(ケーブルつないだだけじゃ映らなかった。。。)上手く映るのかドキドキしながら開演を待ちました。

我ながら頑張った。オババでも愛のためなら新技術にだってついていくわよ。


芝居が始まると、なぜだか音がすごく小さくて~。テレビの音量上げても駄目で(涙目)。
話がややこしそうなのにセリフがよく聞こえないという大ピンチ。

結局テレビの前50cmのところに陣取り耳をすますというアナログ方式で一幕は乗り切りました。
幕間にあわててBluetoothの手元スピーカーをペアリング。これも設定に四苦八苦したけれどなんとかつながってやっと快適にセリフを聞き取れた。

いやぁ~焦ったわ。後で気がついたんだけれど、もしかしてスマホの音量上げればよかっただけなのかな?

初めてのネット配信はなかなかアタフタではありましたが、終わってみれば大満足です。


なにぶんプログラムも手元になければ、ネタバレ厳禁ということでネット情報も遮断して臨んだので、話わかるんだろうか~と不安でした。
しかも家人が今日は暑い~だとか、お腹すいたからなんか食べよ~。とか、周りでしゃべっているし。その上最初は音が小さくて聞き逃したセリフがいくつかあるし。もぉ~~~。
でもいつの間にやら周りの雑音も聞こえなくなったのは、集中力?
それとも今話しかけるんじゃねぇぞ!という背中のオーラ?

もちろんすべてをきっちり理解できたわけではないでしょうが、それでも話に取り残されることなく、退屈することもなく、とても引き込まれました。

そういえばコンテンポラリーダンス的な動きはあったけれど、ダンスナンバーといえるほどのものもなく、主題歌みたいなものもなかったんですね。
でも、芝居を観ているときは不思議とそのことに気が付きませんでした。
ミュージカルの大ナンバーがなかったから宝塚っぽくない、とも全く思わなかった。
いやむしろ宝塚だからこそ、この世界の中に惹き込まれたのかもしれません。

かなり痛々しい場面もあるし、宝塚お得意の愛や夢ではこの世にあふれる人間の醜くさ、分断、憎しみの記憶や連鎖は解決出来ないことも描かれている。そんななんとも重苦しい話ではあるのですが。
なにぶん演じている人たちが本当に美しくて、清らかで。
背景に映し出される映像もうごめく布の演出も聞いたことがないような音楽も、全て奇妙で美しくて。
だから88日ごとに夜と昼が交代する水星が舞台で手首に巻いた緑に輝く「へその緒」が生命維持装置というSFでもなんの違和感も疑問も感じず、どっぷりとその世界に浸ることができました。


そしてラスト。
ついに長い長い夜が明けると、こんな世界にだって希望というものはあるのだと。
生きてさえいればそれでも明日は来るのだと。
ちょっぴり思えてくるところがやっぱり宝塚なんだわ~。

もちろん事はそんなに単純なものではないという事もしっかり提示されていて、深く考えれば際限もなく堂々巡りの暗いドツボにはまりそうではあるけれども。

でも今はただ、上質な舞台を見た心地よさに身を委ね、私も心だけはFLYING SAPAに乗って宙への旅へと飛び出したいと思います。

この世に宝塚があって本当によかった!
お盆にどこへも出かけられなくたって水星まで行くことができたわ!