月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

本日「眩耀の谷」「Ray」千秋楽Live配信

星

素晴らしい舞台だった。
4月のチケット持ってたんだよね。
その時に観る事が出来たとしてももちろん素晴らしい舞台だ!って思っただろうけれど、いろんなことがあって、それを傷だらけになりながらも乗り越えてきた経緯がこの物語に重なった今、胸が震えるほど感動しました。

もうね、冒頭のこっちゃん(礼真琴)のキラキラした瞳を見ただけでもウルっときちゃったんだわ。
で、話が乗ってきたところで暗転のまま画面が動かなくなっちゃって。てっきりこちらの機器トラブルかと思ったら、なんと舞台の機構トラブル。
15分くらいの中断のあと、こっちゃんの「さあ!始めよう!」の号令で暗転のちょっと前、訓練の群舞からの再スタート!
もうね、お茶の間で大拍手よ!でもって涙がこみ上げてきちゃってここからずぅ~っとティッシュ片手に見てた。

こっちゃんは真っ直ぐな、ひたすら真っ直ぐな青年礼真。

真っ直ぐ故に悩み、真っ直ぐ故に苦しむ。
終演後の挨拶でも話していたけれど、礼真が自分なのか、自分が礼真なのかというほど役に入り込んでいるのが画面越しからでもわかりました。

2月に宝塚大劇場で初日の幕を開けてから中止と再開を繰り返しもう9ヶ月に迫ろうかという長く苦しい旅を礼真とともに続け、その重責はどれほどだったかと。
本当に立派な舞台姿だった。
もう少し肩の力が抜けた感じにならなきゃ身が持たないとも思うけれど、今回はこれじゃなきゃいけなかったのだろうし、こうならざるを得ない状況でもあった。
組子と共に乗り越えて大千秋楽を迎えることができて本当に良かった。

瞳花のひっとん(舞空瞳)の舞はただのダンスではないわ。

神とつながる舞。
いやもはや舞神なのかも。
それは技術的な意味ではなくて(いやもちろん技術的にも凄いんだけれど)切れ味の鋭さの先に何かこう、原始的な、踊らなければならない、踊りでしか表現できない何かが宿っている。
あぁ~説明が出来ない。もどかしい。

ほんの瞬間瞬間、とっても短い一瞬に神とつながるような恍惚が見える。
時折何度か浮かび出るその官能的とも言える身体表現を捉える事ができるとすごくドキドキします。
今回は盲目の女性で目では見えないけれども心に見える何かを表現するのに舞が使われていて、余計にそう思ったのかもしれません。

あいちゃん(愛月ひかる)の将軍。

上に立つものが愚者とわかったところでその愚者のために義を尽くすのが彼の生き方であり生きる意味でもある。
そんな苦悩とか人生の皮肉をその美しく逞しい肉体に隠している姿がなんともいえない色気となって溢れていました。

なんというか、ある種の異物感があるのは私がまだ星組のあいちゃんに慣れないだけなのかもしれないけれど。いや「アルジェの男」はそうは思わなかったので、多分この芝居においての彼の役割がそうだったのかな。

みつる(華形ひかる)の周王。

やっぱ上手いわ~。
王なのよ。ちゃんと大国の王なのよ。小物ってわけじゃないの。
王であるが故の猜疑心。
酔っていなければ正気を保てない。けど酔っているのに寒々と冷めた目に彼の孤独を感じます。
でも最後の大階段を降りるみつるはまさに世界の彼氏。永遠の若者でした。
ありがとう。あなたの芝居にどれだけ心を動かされたことか。

せおっち(瀬央ゆりあ)の謎の男。

出会いはなんかプガチョフ風。
礼真以外は見えていない風だったので、その正体はなんとなく察しはついていたけれど。
つかみどころのない飄々とした人物像から最後の苦悩と悔恨をにじませた王のセリフへ違和感なく持っていけるところがさすがの芝居巧者だわ。
これから間違いなく更に輝いていく人だと確信しました。めっちゃ期待してます!

みっきー(天寿光希)&まいける(大輝真琴)

いい感じのコンビ。
まいけるはとにかく可愛い!相当な上級生なのにめちゃめちゃ可愛い!
へなちょこなのにサラッと真実を捉える目を持っている。すごくいい役だわ。

みっきー裏切るとは思わなかったよ~。まぁ彼から見たら裏切ったのは礼真ではあるのだけれど。
それに男はみんな王になりたいよね。(by 暁のローマ)使い捨ての駒みたいな人生は真っ平ごめんだ。
ギラッと一瞬見せた欲にくらんだ表情になんとも言えない色気がある。しかし結局、捨て駒となる末路も哀しく。
短い見せ場だけどしっかり爪あとを残すところはさすがみっきー。

ひーろー(ひろ香祐)、ぴーすけ(天華えま)、あかさん(綺城ひか理)

真ん中で踊るひーろーに滾った!かっこいい!
頼りになる親方!リーダーじゃなくて親方になるのがひーろーの良いとこ。

ぴーすけの豪胆な役の中にもほのかに含まれた柔らかさが好き。ちょっと古き良き時代の感じ。

あかさん、イケメン度が上がってません?
星組メイクがあっているのかな?シュッとシャープになった感じです。これは今後期待大!

くらっち(有沙瞳)は語り部

口跡は確かだしピッタリではあるのだけれど、やっぱり芝居に絡んでほしかったよぉ。などと思っていたら終幕のセリフにぐっときてしまった。
あぁ、そうだったのか~。
この最後のセリフを物語にしっかり繋げられるか、それともただの付け足しにしてしまうかは役者の力量にかかっている。
くらっち!さすがだわ~。物語が更にキラキラと光を放ったように思えました。

はるこ様(音波みのり)

菩薩のようなお顔で最強。いや最凶でしたね。
くわっ!と美しくも恐ろしい笑顔を浮かべたところで暗転。凄かった~。

なっちゃん(白妙なつ)、あいちゃん(小桜ほのか)

歌声がポルタメントっていうのかな?胡弓の音色のように音階を刻まずにうぃ~~んって美しく上がっていくのがいかにも中国ものって感じで素敵でした。


なんか終演後一気に思いつくまま書いてしまったメモ書きですが、これではこの芝居を見た感動が全然表現出来ていないことに気がついた。
だっていろんな思いが入り混じって言語化不可能なのです。

大国のエゴとか疫病とか図らずも今と同じ状況だけれど、それは紀元前の昔から今に至るまでずっと繰り返されてきたこと。
その中でいろんなことに翻弄されながらも逞しく生きてきた人々の営みの美しさが浮かび上がってくる普遍的な物語でした。
それがこの躍動感あふれる演出の舞台に全力をかける星組子たちと重なってきて、もうずぅ~~~っと心が震えて涙が止まりませんでした。

「Ray」は最高!

全員に見せ場がある中村一徳先生のダンスショー。
Live配信のカメラさんもちょいちょい後ろの下級生を映してくれて嬉しかった!
なんか書いておかなきゃと思ったけどひたすら楽しかった記憶しかございませんっ!