月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

本日「シラノ・ド・ベルジュラック」LIVE配信2

星

本当に素晴らしい舞台だったんだけれど、気になったことも少しあります。

1幕に出てきた酔いどれ詩人のカブちゃん(朝水りょう)が色気のある渋いイケメンで歌も役作りも魅力的!
さぁこれからこの人がどんなふうに芝居に絡んでいくんだろうとワクワクしてたら何の回収もなく出番がそれだけで終わっていた。
原作も読んでないし、今まで上演された舞台も見ていないのでこの詩人が本来どんな役割をもっているのかは知らないのだけれど。
とにかく途中で引っ込めるにはもったいないほどの魅力的な人物だった。
魅力的な人物を出しておきながらそれをほったらかすのって大野拓史先生の悪い癖だよね


かりんちゃん(極美慎)が演じた元パティエはとても素敵でした。イケメンでスタイル抜群!
シラノの召使いとしての出番も多くてスターオーラ満載。
14年後ですらその年月を一切感じない若々しさ。
でもその華やかさゆえラストシーンの切なさをぶった切ってしまいます。
もちろん新進男役の売出しとしてはなんの問題もありません。この人が若手のスターさんなんだなぁということがとってもよく分かる配置。
次世代スターの売出しと育成こそが宝塚であり、宝塚の良さではあるのだけれど。

だけどこの芝居の世界観としては何かが違う。何かが噛み合わない。
演出を宝塚的に振るか、人生の苦さを活かすことに振るか、ちょっと迷っちゃってどっちも入れちゃった感じが見えました。


主な役を演じた芝居巧者の上級生は物語の世界観をしっかりつかんでいてみんなすばらしかった。
一方でかりんちゃん含めガスコン青年隊の若者とかその他大勢を演じた下級生達はフレッシュでとても勢いはあったけれどその力量の差が割と目立ってしまった舞台だったように思います。「エル・アルコン」組の下級生がものすごく達者に思えたのは演目の難しさの違いによるものかも。

あったかもしれない幸せを自ら拒絶し零落しながらもロクサーヌに対する想いを一生変わらず秘め続けたシラノ。
その人生の苦さと真の豊かさを感じさせるいしさん(轟悠)と並んで違和感のない演技を若い下級生に要求するのはなかなか大変なことだったのかもしれませんね。