月刊☆臥看牽牛織女星

15年の空白を経て宝塚観劇を再開。失われた時を取り戻すためのスカイステージ鑑賞記録をぼちぼちと綴ります。

青い色した流転の宝石「シルクロード 盗賊と宝石」

雪

時間と場所と旅がテーマのレビュー作品。
世界巡りはモン・パリの時代から宝塚レビューのテーマではあるけれど、このショーの特異な点はそれが青色の宝石の旅として描かれるところではないかと思います。

砂漠の謎の旅人の凪様(彩凪翔)達に導かれるように青の宝石の旅が始まります。

その青の宝石の化身としてまあやちゃん(真彩希帆)は新たな手法!で登場。
美しい!
花組研2のころから見てきたふにゃっと笑う可愛いまあやちゃんがこんなにも美しくなってブランコの上で嫣然と微笑む。

黒ターバンをなびかせた盗賊だいもん(望海風斗)は不敵に笑う。
かっこいぃぃぃ~~~~~!
次々と登場する雪組メンバーに目眩を起こしそう。

宝石の最初の物語はオアシスの村なのかしら?
さききわ(彩風咲奈&朝月希和)が踊るとサマルカンドブルーと淡いピンクのチュールが重なった民族衣装やきわちゃんの長いお下げ髪が美しく翻って本当に綺麗。
恋人へプレゼントされた青の宝石は愛の証。
幸せだけど夢の中の淡い幻のよう。

次は曲がシェへラザードだからササン朝ペルシャね。
残酷な王あーさ(朝美絢)にバザールで手に入れた宝石とともに清く正しく美しく(アドリブ最高!)売り飛ばされた盗賊だいもん。
あーさ王はコレクター?周りが美男美女だらけですぅ。眼福。
鎖に繋がれたままの盗賊とシェヘラザードのデュエットダンスにドキドキ。
胸に輝く青い宝石は快楽の象徴かな。

中詰はナマステ~~~の雄叫びとともに。
インド?びっくりしたー。
シルクロードにインドが出て来るとは思わなかった。そういえば天竺ってインドのことだっけ?
インド映画のように賑々しくて楽しい!
カリさん(煌羽レオ)とひーこちゃん(笙乃茅桜)の凄技デュエットダンス。こういうの大好き!
だいもんと咲ちゃんは背中の羽根をバッサバッサさせて対決。
神々の戯れ?極楽鳥の縄張り争い?
キンキラに輝くド派手なセット。
青い宝石は繁栄の象徴のよう。
雪組メンバーすべてが輝きを増して全員が宝石みたいよ〜。

時代は下って1930年辺りの上海租界のナイトクラブ。
もう、ここ凄すぎるでしょ。
チャイナドラゴンの長袍 を着たオールバックに前髪が一条はらりのだいもん。絶対ヤバい人だわ。セクシーな踊り子たちの間を流して行く姿にヤバい色気がダダ漏れています。
レトロなスタンドマイクで歌うまあやちゃん。歌姫の胸で妖しく光る青い宝石も退廃のかおり。
この超絶早口な歌は何ていう曲なの?
この時るいくん(眞ノ宮るい)ともうひとり誰かな?二人で組んだこれまた超絶スピーディなダンスがアップで映し出されたのが痺れるほどかっこよくって*1、まあやちゃんの歌もかっこよくって、凪さまとさきちゃんが睨み合うのもかっこよくってヒェッと叫んだまま固まったわ。

次はちょっと不気味な場面。
赤い腕章をつけた群衆のダンスはおそらく文化大革命紅衛兵を表しているのね。
ここでふと思い出したんだけれど、昔「レッド・バイオリン」という映画があったのよ。
音楽が素晴らしくってサウンドトラックCDも持っているの。
中世イタリアで作られた紅いバイオリンがウィーン(オーストリア)、オックスフォード(イギリス)、上海(中国)と時代と共に持ち主を変えて旅をし、最後のほうでは1960年代後半の文化大革命が描かれる。バイオリンなんて西欧的、ブルジョワ的なものを持っていたらそれだけで紅衛兵に吊し上げられる狂気の時代。まだ少年少女の面影を残す大勢の紅衛兵が凄まじい形相で人々を糾弾する場面の恐ろしさをこのシーンを見て思い出したわ。 今回のショーの青い宝石の旅はもしかしてこのレッド・バイオリンの旅に着想を得て作られたのかも〜ってなんとなく思いました。

恐ろしい闘争の果てに静寂が訪れると、ついに巡り合う盗賊と宝石。
見つめ合い歌うだいもんとまあやちゃん。
胸に青く光る宝石は希望。
あぁもう感謝しかない!
白い衣装で踊るさきちゃんときわちゃんはさながら比翼の鳥のよう。
菅野よう子氏作曲の壮大な楽曲はスタジオ録音盤をダウンロードして通勤時間中この1曲をエンドレスで聞きまくっても全然飽きないのよね。
それを組子総出演のライブ映像で見ると感動も倍増。

銀橋の凪さまの歌はエキゾチックなアレンジのすごくノリのいい曲でうわぁ〜カッコいい!となってたらラストの「じゃ・あ・ね」でやられたわ!
凪さまの砂漠の旅も終わるのかー。涙。

そして美しい宝石の長い旅はフィナーレを迎える。
シンプルな黒燕尾が尊くて泣けてくる。
青い宝石は青い薔薇となって次の世代へと引き継がれていくのですね。
誇り高く温かい群舞。

あとどこだったか、だいもんとまあやちゃんとさきちゃんの三人だけで踊るところがあるんだけど、その時のだいもんとまあやちゃんのダンスのテイストが全く同じなんですよね。さきちゃんのニュアンスは二人とは違う。
トップコンビというのはこんなにもお互いの呼吸を感じて、歌う感情も、踊る感情もシンクロしていくものなんだなぁと感動しました。

そしてデュエットダンスでは白い美しい衣装が照明によってほのかに青色の光と影がうまれていて本当に綺麗。
全てが浄化されていくような夢のひととき。

生田先生のショーデビュー作でもあるこの作品。盛りだくさんでぎっしりだけどあっという間。本当に良く練られ考え抜かれているわ。
さすが「君の最後(のショーの演出)を俺が奪おう」って宣言するだけのことはあるわ〜。

そんな熱い想いが詰まったショーでの今この時のメンバーでなければ出せない輝きと充実は歴代のトップから受け継がれたものに加えて、やっぱりだいもん、まあやちゃんがもたらした影響が大きいよね。
えりたん(壮一帆)が心を解放し、チギちゃん(早霧せいな)が元気にして、だいもんが高めたって気がする。

「続く誰かの道になろう」
そう、こうして青い宝石は受け継がれ、その旅は永遠に続いていくのだ。

*1:大千秋楽の配信を見てるいくん(眞ノ宮るい)の超絶かっこいいダンスがアップになったのは大都会(ダスカ)ではなく争いのシーンだという事が判明しました。相変わらず記憶がごっちゃです。そして一緒に映っていたのはあやなちゃん(綾凰華)でした。